はちみつ太良ができるまで
働き蜂(メス蜂)がミカン蜜を集めます。
ミカンの花は白く5月上旬〜中旬に早生種、中生種、晩生種の順番に咲きます。
中でも貯蔵ミカン用の晩生種は、特に甘味が強く、花蜜も多く含まれます。町内一円に漂うミカンの香りと新緑一年で最も良い季節です。
蜂も喜んで花に飛来します。
設置された巣箱
勝浦町内の採蜜蜂場8ヶ所に多くの巣箱を設置し蜜を集めます。(ミカンの樹に花の咲く数が多く、開花期に雨が少なく、働き蜂が1群当り15000匹以上)この三条件がそろって豊作蜜となります。
ところが5月上旬〜中旬は梅雨期、毎年雨が続き10年に一度しか大豊作はありません。
蜂さんがびっしり
巣箱を開けると花蜜を集めて来た蜂がびっしり
1群当り15000〜20000匹 箱を3段に積み上げます。
女王蜂1匹、働き蜂(メス蜂)9割、オス蜂1割の家族で構成され働き蜂(メス蜂)は、外勤(大人の蜂)と内勤(生まれて新しい蜂)にわかれて役割分担をします。
花蜜を集めてくるのは、大人のメス蜂のみです。外勤蜂がミツ胃と呼ばれる体内の袋に集めてきた花蜜を内勤蜂に口移しで渡し、内勤蜂が巣の中に貯めこみます。蜂の体内を通ることにより、初めて蜂蜜となります。
内勤蜂の頭部の下因頭腺から酵素を分泌し花蜜のショ糖をブドウ糖と果糖に分解し初めて蜂蜜となります。
夜になると蜂の羽ばたきにより水分を20%になるまで蒸散させ蜜が濃縮します。巣箱に近づくとゴーと言う音が各巣箱ごとに聞え共鳴音がすごいです。
凝縮された蜜の様子
巣に蜜を貯え蜜蓋された巣枠、全面白い被膜(蜜ろう)で被われます。この状態ですと1時期一度の採蜜となり採蜜量も少なくなりますが、その分蜜の品質も良く糖度80以上を保ちます。
二度、三度の採蜜だと表面の被膜状態が1/2~1/3となり蜜も薄く糖度も低く品質も劣ります。
全面被膜(熟成蜂蜜)いよいよ採蜜です。
巣枠に群がる蜂を巣箱の中に振り落とし残りの蜂をハチ払い機で払い落し、空箱に蜜巣を集める慎重な作業です。太陽の昇る前より採蜜を行います。
太陽が昇り温度が上がると働き蜂が花より水分の多い花蜜を集めてきます。混ざらないように蜂の活動しない時間帯となり必然的に早朝となります。(AM5:00~9:00頃までが採集時間です)
蜜巣を採蜜工場へ運びます。
当蜂場では、巣箱のある現場採蜜は行いません。
土壌性細菌付着防止、手洗い用の水確保、採蜜器具の洗浄、着衣等の衛生管理上、又、二重蜜こし、電源の確保、日陰での作業等を考慮して採蜜工場にて採蜜します。
到着した蜜巣は、ホイストクレーン(2.8t吊り)により蜜蓋処理部に移動します。
蜜蓋を切る様子
蜜巣の外側の被膜(蜜ろう)を熱刃包丁でそぎ落とします。
蜜部に粘りがあり熟練を要します。
1枚1枚長時間での手作業です。
遠心分離機にかけます
そぎ落とされた蜜巣を9枚分離機に入れ回転時間と速度を設定しモーターにて回転させます。
蜂蜜をこし、不純物を取り除きます
分離機より取り出した蜜ろう不純物(切り残った蜜ろう)を除くため二度蜜こしします。
蜂蜜を保管庫に保管します
保管庫は、温度湿度の管理を行い四季に適した状態に管理されます。
瓶は熱湯消毒し、天日干しで殺菌します
使用する瓶は、80度で2時間煮沸し、しっかりと消毒、乾燥し割れや、破損がないかを確かめます。熱湯タンクは1㎏瓶300本消毒可。
みかん蜜の充填
清潔に保たれた作業場で充填作業を行います。
保管庫より出した蜂蜜はさらにもう一度蜜こしをして熱湯消毒した瓶に食品衛生責任者資格のもとひと瓶づつ丁寧に充填していきます。
瓶詰後に検品をします
蜂蜜の瓶詰された後一つひとつ丁寧に計量、検品します。
ラベルを貼って出荷します
当蜂場は食品表示、及び製造、営業販売の認可を得ての出荷です。